top of page

並木第四小学校


横浜市立並木中央小学校

1983年(昭和58年)4月開校。並木内に作られた4番目の小学校です。開校記念日は6月17日。

昭和56年9月開校の並木第三小学校へは、当初3丁目18街区からも約170名が通っていました。通学路のほとんどは工事中で道路もなく、子どもたちは雨のぬかるみや風の砂埃の中、集団登校をする日々だったといいます。

そのため、2年後に並四小が完成した時の18街区の子どもたち・親御さんの喜びはひとしおだったよう。他街区の入居も始まり、並四小は児童数約250名でのスタートとなりました。

現在は並木3丁目と、幸浦・福浦・長浜や柴町の一部を学区としています。

水色枠が並四小の敷地(山側・海側については後述)

校舎は国建築事務所※による設計。周辺の住宅環境との調和を大切にし「地域に貢献する学校」がテーマとなっています。

正門前の歩道と敷地内のデザインを揃え、街の一部となる印象に。併設された地域交流室は、住宅に合わせて高さを低くし、屋根の色調を周辺と合わせるなどの配慮も見られます。

(※1991年に国建築事務所から「株式会社 国設計」へと改称)

校章は児童・父母の図案を基に、同じく国建築事務所が作成。3丁目各所に植えられているハナミズキをモチーフに「N・四・小」を配したもの。4枚の花びらで並木四番目の小学校であることを示すと同時に、大空に向かって伸び行く木の性質から「これから発展しようとする地域性」の象徴にもなっています。

校歌は開校五周年記念事業に合わせて制定。それまでは、子どもたちの言葉をもとに教諭が児童会の歌を作るなどしていました。今も運動会で歌われている「並四音頭」は、その当時に作られたものだそう。

校歌の作詞は初代校長・今井良一氏によるもの。記念事業委員会で「今川先生ほど並四小のことを分かってくださる方はいない」という意見で一致し制作を依頼。

作曲は吉田孝古麿氏(2019年現在神奈川県庁合唱団指揮者)で、数回学校を訪れ、子どもたちの様子を見て曲作りをしてくださったとのこと。

 

昇降口にもハナミズキをあしらった「並木第四小」の文字。

北向きの玄関も、天窓によって明るくなるよう設計されています。

昇降口正面に位置する図書室。

天井が高く取られ、解放感があります。

「並四書店」と名付けられた、生徒自作の本が並ぶスペースも(一般書同様に借りることが可能)。司書さんの飾りつけや、修繕ボランティアの方によるオリジナルの製本など、あちこちに楽しい試みが見られます。

 

ピーク時には1000名近くの子どもが通っていた並四小。平成元年に校舎を増築していますが、その後の少子化に伴い一部教室をオープンスペースへと改修しています。パーテーションにより廊下と区切ることが可能で、体育の更衣室として使うことも。

所々に設けられているベンチのようなもの。

休み時間になると子どもたちが集う場所に。

校舎をつなぐスロープ。木材の曲線が印象的。

校内では柱などにも角の取れた木材が取り付けられ、温かみと子どもたちへの配慮を感じます。

現在地が解りやすいように色分けされた階段。

「海側」「山側」という珍しい表記も。

中庭。1階教室から出入りが出来、一部に可動式の屋根が取り付けられていたりと、設計当初から様々な活用を想定していたと思われます。

体育館。夏休みには、災害時を想定した訓練や地域とのふれあいを目的に「学校に泊まろう!」という試みも。

校舎との渡り廊下は学校の玄関口でもあり、カラフルなつくりに。

職員室前。広く取られた窓からは、校舎だけでなく周辺の住宅も見渡せます。

職員室前に設けられた掲示板には、学校の歴史がずらりと。

並四小では創立5周年時(1987年)にタイムカプセルを埋め、2000年に開封セレモニーを行いました。この時再度タイムカプセルを設置しており、2020年10月に平成12年度の在籍生が集まる予定とのこと。

埋めた場所には「飛翔」の台座と、記念植樹がなされています。

校舎のあちこちに残る卒業制作。大きな窓に合わせ、ステンドグラス風の作品も多い。

学校行事は5月の運動会、12月のハナミズキ祭(学習発表会)など。中央小との球技交流会も行われます。5年生は愛川での体験学習、6年生は日光修学旅行も。

各学年7~8人ずつでグループを組む「たてわり活動」では、6年生をリーダーとして一年間一緒に活動を。5月の顔合わせに始まり、遠足や冬まつりをなど通して学年を超えた交流を深めます。

母体である並三小からわずか2年での創立、そして全く新しい街という環境の元、特に父母や地域との連携を大切にしてきた並四小。開校したその年の11月にはPTAが発足され、草取りから餅つき大会まで、意欲的に行事を行ってきました。

PTAに加え、近年は学校と地域ボランティアをつなぐ「なみよんFANくらぶ」も重要な柱のとなり、住民との連携がさらに活性化されています(なみよんFANくらぶについては、次回記事として更新予定です)。これからの発展も楽しみな小学校です。

 

参考文献

並木第四小学校 校歌制定・創立五周年記念誌

横浜の学校建築1982 (横浜市教育委員会施設部編 S57.10)

協力

田中光信先生(並木第四小学校 校長)

Comments


entry

​category

tag

関連記事
bottom of page