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なみよんFANくらぶ


なみよんFANくらぶ・並木第四小学校

並木第四小学校支援地域連携本部(学校地域コーディネーター)、通称「なみよんFANくらぶ」。並四小の子どもたちの為に、学校・保護者・地域の方々をつなぐ組織です。2012~13年頃に事務局が設置され活動が始まりました。

既存のPTAは1~2年という短期間で役員が変わり、子どもが卒業すると各家庭と学校とが連絡を取ることはほとんどなくなります。それに対し、なみよんFANくらぶは有志数名による運営で、在校生の保護者だけでなく卒業生の家庭や、近隣の地域団体とも幅広く連携を行うのが特徴。「授業や行事でお手伝いが欲しい」という学校側と「並四小でボランティア活動をしたい」という方との間に立ち、連絡や取りまとめを行う架け橋的な存在です。

なみよんFANくらぶ・並木第四小学校

職員室近くに設けられた事務局。運営メンバーは、それぞれ仕事や家庭の時間の合間をぬって集まります。「出来る時に出来ることを」という緩やかなつながりが、良い空気を生んでいる様子。

なみよんFANくらぶ・並木第四小学校

事務書類の中に、ホッと和らぐ手作りのPOPが。

並四小の子どもたちのためにボランティア活動をしたいという方は、エントリーシートに記入してなみよんFANくらぶに提出します。登録と同時に、事務局を通じて学校教育ボランティア保険への加入手続きも行なわれます。

なみよんFANくらぶエントリーシート

運営からの連絡は主にスマホアプリ『マチコミ』を利用。「〇月〇日に家庭科の見守りが必要です」といった支援要請や、当日の活動報告がリアルタイムで届きます(もちろんスマホを使えない方のために書面のご案内も)。

なみよんFANくらぶ・並木第四小学校

エントリーシートに添付した顔写真で名札が制作され、後日手元に届きます。

ボランティアのため活動した方に謝礼は出ませんが、代わりに事務局から手作りのお茶セットをお渡しすることも。限られた予算の中での細やかな心遣いが素敵です。

並木第四小学校

なみよんFANくらぶを通じての活動、内容は様々です。エントリーシート提出の際に、どの活動に所属したいかの希望を記入します(一部保護者などに限定する分野もあり)。

家庭科や書初めなどの授業見守りや、白衣修繕を行う『お助け部』。漢字検定・算数検定の会場準備などを行う『検定部』。親子ハイキングやバーベキューなどを企画する『並四ぷらネット(おやじの会)』。学校のホームページに関わるお手伝いをする『IT部』。

なみよんFANくらぶ・並木第四小学校

図書ボランティアの『ぱたパタママ』。各クラスでの読み聞かせや、図書室の装飾・本の修繕を行います。修繕の専門ボランティアさんが子どもの作品を豆本に仕上げたり、先生方のお薦めを1冊にまとめて下さることも。

なみよんFANくらぶ・並木第四小学校・図書修繕ボランティア
なみよんFANくらぶ・並木第四小学校

園芸ボランティアの『並四サンさん』。運動会の時期は紅白、入学式には虹色に…など、子どもたちへの気持ちを込めて正門・西門の花壇を飾ります。

なみよんFANくらぶ・並木第四小学校
なみよんFANくらぶ・並木第四小学校

放課後キッズクラブの時間に勉強を見守る『学びタイム』。漢字検定・算数検定の合格を目指してサポートするのは、並木男性合唱団の皆さん。合唱団のサイトではボランティア活動の紹介と共に、子どもたちからの感謝状も紹介されています。

なみよんFANくらぶ 感謝の会

2月の「感謝の会」で子どもたちから贈られる感謝状の冊子。

並四小は長浜・柴町も学区に含まれるため、交通量の多い交差点が通学路になります。毎朝の見守りボランティアは『学区見守り隊』。時には警察や役所へも掛け合い、子どもたちが安全に登校できるよう働きかけてくださることもあるそう。

 
なみよんFANくらぶ・並木第四小学校

登録者へは、スマホアプリ『マチコミ』で活動報告が届きます。

既存の活動の以外に、事務局が保護者からの意見を形にすることも。

「一人っ子で古着の譲り先が無くて…」というお母さんの声から企画されたのは、いわゆる古着フリマ『無料おさがりマーケット』。12月のハナミズキ祭の開催期間中、子ども服から並木中学校のジャージ・柔道着まで、さまざまなものを持ち寄り、自由に持って帰ることの出来る場を作りました。「”交換会”だと何か持ってこないといけないイメージになるので」と、イベント名にもこだわりが。物はほとんど残らず、大好評で終了したそうです。

楽しいことを考えるのが好きという事務局のみなさん。「現在あまり活用されていない小学校の畑で野菜を作り、防災イベントの食材に出来たら…水やりはキッズの子どもたちが担当して……」など、まだまだ色々な構想がある様子です。

なみよんFANくらぶ・並木第四小学校・地域交流室

並四小には創立当初から地域交流室が併設されていましたが、これまで管理体制が整っていなかったため上手く活用されていませんでした。なみよんFANくらぶ事務局が受付管理を担うことにより、地域団体の利用が増えてきたといいます。予約をすれば誰でも無料で部屋を借りることが出来ます(その分、利用者の方へはトイレットペーパーなどの消耗品の提供をお願いすることも)。

こうして地域の人が気軽に学校に入って来られるようになり、「自分の子が並四出身なので懐かしい」という声も。おじいちゃん・おばあちゃん感覚でお手伝いをする方も多いようです。新年のたてわり冬まつりでは、つつじクラブ・富岡飛行機倶楽部・柴漁港の漁師さんなどが、昔遊び体験や餅つきをサポートしています。

なみよんFANくらぶ・並木第四小学校・感謝状

横浜市では、500を超えるすべての小学校に地域学校協働本部の設置を目指していますが、ここまで中身を伴った団体はなかなかないと言います。なみよんFANくらぶは内容・継続性共に高く評価され、2019年2月に市の教育委員会から感謝状が贈られました。

「私たちは先生方の応援団なんです」という言葉と共に、積極的に楽しく活動を行う事務局のみなさん。校長先生とも冗談を交えながら忌憚なくお話しているシーンがとても印象的でした。これからの活躍にも期待しつつ、ぜひ多くの方に関わってもらいたい活動です。

 

参考文献

なみよんFANくらぶ通信・FAN BOOK(事務局発行)

横浜の学校建築1982 (横浜市教育委員会施設部編 S57.10)

協力

なみよんFANくらぶのみなさま

田中光信先生(並木第四小学校 校長)

横浜市教育委員会事務局 南部学級教育事務局所長 久保寺浩 様

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