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金澤緑地


並木 十二天公園

シーサイドライン鳥浜駅~八景島駅間・国道357線の西側に沿って続く緩衝緑地(グリーンベルト)。面積約15.3ヘクタール。南北およそ4㎞にわたり遊歩道が設けられ、様々な樹々を楽しむことができます。

金澤緑地

昭和58年頃の様子(金澤写真アルバムより)

金澤緑地は、工場地帯による空気汚染や湾岸道路などによる公害・騒音を想定し、昭和57年12月に横浜市が公害防止事業団へ依頼して整備されました。また、自然景観や植生が乏しい埋立地のベースづくりという目的も。

並木 十二天公園
並木 十二天公園

住宅地側は、オオシマザクラ・サザンカ・アジサイなど季節の花を楽しめるものや、ケヤキのように鳥が好む樹木を中心に構成されています。

並木 十二天公園

一方工場側は、公害や潮風に対する強さを考慮。ダブノキ・ヤマモモ・カクレミノなどが植えられ、年間通して深い緑に覆われます。

金澤緑地

全体を通して金沢区の気候風土に見合う樹が選定され、それぞれの植物に名札が付いています。古くなって文字が読めないものもありますが、3丁目近辺は一新され見やすくなりました。

 
並木 十二天公園

鳥浜駅付近の日時計のモニュメントは昭和58年に制作されたもので、大空に飛び立つカモメがモチーフ。均時差が表記されているので、晴れていればほぼ正確な時間を知ることができます。

並木 十二天公園

道のあちこちに、一息つけるベンチや休憩所が。

金澤緑地
金澤緑地

2棟あるトイレはどちらもバリアフリーで、車いす向けも備えています。

緑地全体を通して、上り坂を緩やかにしたり、手摺や盲人誘導ブロックを設置していたりと、当初から様々な配慮がされていたことが解ります。

金澤緑地
並木 十二天公園

緑地に鳥が集まるよう、水飲み場・水浴び場として作られたバードバス。野鳥が樹々の害虫を駆除することも想定しているそう。生息環境を守るため、遊歩道からは見えにくい樹々の奥にも設置されています。

金澤緑地
金澤緑地

3丁目のエリアには、遊歩道と平行した小径が何か所が設けられています。花と鳥のタイルが目印。ここからはほとんど住宅が見えず、より自然に近い雰囲気を味わうことができます。

金澤緑地

人口緑地のため自動散水システムを採用しており、夜間にはスプリンクラーが作動。所々にスプリンクラーの白いパイプが見られます。植物の生育のためだけでなく、塩害に対する葉の洗浄も目的の一つ。午前0時~5時の立ち入りには注意が必要です。

 
金澤緑地

シーサイドラインで唯一地上にホームがある「並木北」駅。この付近は金澤緑地の存在により東西を横断する道路がありません。そのため高架をつくる必要が無く、駅と前後380mの線路が地上に設けられました。これにより、約8億円の建設費削減につながったといいます。

金澤緑地

並木3丁目の最南部。金沢緑地は八景島付近まで続きます。

この道路は、シーサイドタウンの住民が海の公園方面へ出る際、湾岸道路や国道16号線を介さずに直接行くことが出来るようにと、埋立計画初期の段階から設計されていました。

開園から40年近く経ち、案内板やベンチなどの老朽が目立ち始めていますが、新たにスロープや芝の再整備が進められている部分も。

周辺住民だけでなく産業団地の従業員の憩いの場にもなっていて、晴れている日は行き交う人が多く見られます。ひととき喧騒から離れ、四季を感じることが出来る場所です。

並木 十二天公園
 

参考文献

金沢地先埋立地内住宅地開発計画基本構想(1971年 槙総合計画事務所編)

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